長時間寝る事が良い眠りと思っていませんか?
人の眠る周期は、体に備わっている体内時計や
概日リズムというもので決まってきます。
このリズムが狂うことで、眠りのリズムも狂ってしまいます。
長時間の睡眠は、必要でないならば体内時計を狂わせる
きっかけになってしまいます。
しかし、この体内時計や概日リズムには1日のうちに
眠気を誘うリズムが何度かあるのです。
そもそも、今の電気の文明になる前は
夜長く寝るという習慣はなかったそうです。
動物と同じ様に、短い睡眠を一日に何度か繰り返す
『多相睡眠』
という形の睡眠であるのが一般的だったそうです。
夜中に目が覚めるのは当たり前で、そのまま朝食の準備をしたり
月明かりで散歩をしたり普通に過して、また眠くなったら眠る
という何とも自由な睡眠習慣だったようです。
当然、昼間も眠たくなるので、1~2時間の昼寝もしていたそうです。
このような感じで、1日のうちに何度か睡眠をとり、帳尻を合わせる形で
1日のトータル睡眠時間は7~9時間程度だったと言われています。
言われて見れば、人間以外の動物はみんなこんな感じで寝ていますね。
同じ動物である人間だけが、連続した長時間の睡眠を欲しています。
(人間でも赤ちゃんは1日に何度も寝ていますね)
いわば、今の睡眠スタイルは自然に反する睡眠法なのかも知れません。
しかし
現代社会に生きる私たちは、このような多相睡眠のスタイルを取れるほど
の余裕がありませんね。
よく、お年寄りが
長く寝れなくなった。
夜中に目が覚めてしまう・・・
という理由で
睡眠薬を処方してもらっているお話を聞きますが、
仕事をバリバリしていた頃のような慌しさから抜け出したときに
本来の動物としての睡眠スタイルに戻っているだけなのかも知れませんね。
実際に
そんな方にお話を聞くと、
『昔は毎日忙しかったけど、今は昼寝やうたた寝をよくしてるわ(笑)』
とおっしゃってます。
睡眠時間が長いことは、同時に
1日の身体の活動自体が少なくなっているという事です。
それは筋力、体力の低下に繋がり、健康を害す事にも繋がります。
なので、9時間以上の睡眠は推奨されていません。
7.5時間が良いと最近では言われています。
何でもほどほどですな(笑)
人間本来が求めている『生物としての睡眠』と
現代人が求めている『理想の睡眠』とはギャップがあるようです。
長時間眠れない事に悩む方もおられると思いますが、
深刻な病気で無いならば
眠れないなら、この時間は何をしよう??
と、発想を変えてみるのもいいのではないでしょうか?
それでは今日も健やかにお過ごしください♪
鍼灸師・柔道整復師 樋渡聰介 監修