いつもありがとうございます♪
ギックリ腰の痛みは脂汗が出るほど強く痛みますよね。
身体が冷えるこの時期は特にギックリ腰の患者さんが多くなる時期です。
今回は、先日、ギックリ腰になってしまった患者さんから頂いた
『お風呂は浸かった方がいいの?』
というご質問から当院の考えと最新の医学情報を交えて書いてみようと思います。
もしもちょうど今、ギックリ腰でお風呂を迷っているという方は参考にしてみてください。
お風呂に浸かってもいいんですか?
これは『早くギックリ腰が良くなるには温めた方がいいのですか?それとも冷やした方がいいのですか?』
という
早く良くなりたい気持ちから自分で出来る事は何かないかという気持ちを凝縮した言葉ですよね。
結論から言うと、
入っても大丈夫です。
ギックリ腰の時の最も注意したい事は、無理に動いて症状を悪化させてしまう事です。
あくまで湯船に浸かる動作ができて、足が滑ったりしても身体を支えることが出来るのであれば
浸かって温めて頂いた方が早く治ります。
しかし、痛みがひどい場合はお風呂に浸かろうという気なんて起こりませんよね。
痛みが強い場合、ボクなら頑張ってもシャワーが限界です(笑)
痛い時は冷やす!ではない
よく、『急性の痛みにはアイシングだ!』と、冷やした方がいいというお話を聞きますが、内出血を伴うようなケガとギックリ腰ではちょっと分けて考えてもいいと思います。
確かに、捻挫や骨折、打撲などの急性的な損傷である『ケガ』であれば、内出血を極力少なくすることで回復を早めることに繋がります。
しかし、
ギックリ腰は捻挫や骨折のように患部が腫れあがるような、そこまでの内出血は見られませんよね。
ギックリ腰の痛みは程度によって様々で動けないくらいの事もあります。
しかし筋肉の損傷(筋肉が切れた状態)はそこまでひどくない場合が多く、筋肉が少し裂けて傷ついた状態で筋肉そのものが完全にぶっちっと切れている訳ではありません。
なので当然、内出血の程度も軽いものが多いのです。
近年ではギックリ腰の処置として、冷やして処置した場合と温めた場合では治癒の期間に明確な差がみられないことが研究の結果わかっています。
温める、冷やすどちらかをした方が治癒までの期間は何もしないよりかは短くなりますが、温めると冷やすではほんの少しだけ温めるほうが期間は短くなります。
そうなってくるとぎっくり腰ならそこまで冷やす事にこだわる必要はないと考えられますよね。
では大きな損傷は無いのにどうしてあんなに痛いのでしょう?
筋肉がぶっちっと切れている訳でもないのにどうしてあんなに痛いのか?と不思議に思う方もいると思います。
しかし、ギックリ腰の中には大きなきっかけもなく、朝起きたら腰が痛くなっていたというお話を聞いたことはないでしょうか?
この場合は筋肉が傷ついたという損傷があるようには思えませんよね。
この場合、痛みの原因としてあるのは筋肉が硬くなったことによって伸び縮みがしにくくなり、動くと痛みを伴うほど動きが悪くなっている状態です。
いわば筋肉の極度の疲労と考えられます。
疲労によって筋肉が硬くなっていればいるほど伸びたり縮んだりで痛みは強くなります。
大きなクシャミや転びそうになった時にグッと踏ん張った、無理に身体をひねったなどのいわば『グキっとなった!』といった筋肉が少し裂けるようなギックリ腰の場合でも、転ばないように反射的に急激な力が筋肉にかかります。
そうすると筋肉は硬くなったままでゆるまなくなってしまうのです。
その硬くなった筋肉が伸び縮みによっての痛みを強くしますので、ちょっとでも動くと痛いぎっくり腰となります。
そう考えると筋肉に血液をしっかりと送ってあげて筋肉の疲労を取ってあげることが筋肉が伸び縮みしやすくなり痛みを緩和することができると考えられますね。
でも、温めると痛みが悪化しそう・・・
先ほど少しお伝えしたように腰痛の研究は世界中でされています。
その中で
・急性/亜急性腰痛に対する温熱療法は、5日後まで疼痛の軽減効果をもたらす。
・急性/亜急性腰痛に対するヒートブランケット(電気毛布)は、急性疼痛をすぐに軽減させる。
・寒冷療法の効果は、エビデンス(それがよいと判断できる証拠)なし。
という事が言われています。
つまり、ギックリ腰の時は温めると痛みがマシになりますよ。冷やす事は早く痛みが引く、もしくは早く治る
といは言い切れないよ、ということです。
何だかイメージ的に逆に感じる方もいるかもしれませんが、今までの常識がくつがえるようなことが近年では証明されてきています。
『ケガをしたら炎症があるのでアイシングで冷やす』という方法が今は広く知られています。
しかしギックリ腰は必ずしも『冷やすと早く治る』と、いえないのです。
私は冷やしてラクになったんですが・・・?
という経験をされている方もいらっしゃると思います。
その通りで、ギックリ腰でも冷やすことで痛みをやわらげられる場合があります。
それは強烈な痛みによって神経の過剰反応が起こっている場合です。
この場合はまず過剰な神経の反応を冷やすことで鎮静化させて抑えること、冷やして痛みを感じにくくさせることで、痛みを過剰に感じて筋肉が硬くなることを防ぎ痛みを緩和することができます。
しかし、これは過剰な痛みを本来の痛みの感受性に戻し、一過性に感覚を麻痺させるが目的なのでギックリ腰を早く治すという方法とはいえません。
腰の痛みによって神経の過剰反応が起こっていないのであれば必要ないのです。
過剰な神経の反応が起こっている場合は、傷めたところに『熱感』があるかないかで見分けることができます。
皮膚を触ってみて痛みのないところと比べてみて、皮膚が熱くなっている場合は神経の過剰反応で血流もアップしているので皮膚の表面が熱く感じられます。
血流が増加しているのでボヤっと腫れているようにも見えたり、赤く『発赤』していることもあります。
この場合は筋肉疲労よりも『炎症がある』と判断できますので冷やすと痛みが緩和される事が多いですね。
この神経の過剰反応は傷めたきっかけが明らかにある場合に多いです。
先ほども出た
大きなクシャミ、転びそうになった時に踏ん張った、無理に身体を捻ったなどのいわば『グキっとなった!』といった表現がされる場合です。
しかし
実際のところ状態や状況によって対処法は変わってきます。
どっちか解らない時はやはり専門家に診てもらって意見を聞いてくださいね。
まとめ
・ギックリ腰はお風呂に浸かる動作が問題なく出来るのであれば、浸かって温めた方が早く治る。
・最新の研究データでは、ギックリ腰の痛みは温めると緩和される。
・触って皮膚が熱かったり、赤くなっていたりしたら冷やしてみると痛みが緩和されやすい。
・どちらか解らない時は専門家に診てもらうまでお風呂は控える。
それでは今日も健やかにお過ごしください♪
鍼灸師・柔道整復師 樋渡聰介 監修
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